クリスマス

 

クリスマス、という言葉に人がみるもの。それはたぶん実際よりずっと特別。綺麗なイルミネーションとか、一緒にいたい、と言われたときの、あの湧きあがる喜びは、そうでないと説明がつかない。だって、どんな日になるかもわからないのに嬉しいなんて変だと思うから。

あなたと違って、私にはほんの少しのものしか見えない。でも本当に大切なものは、ほんの少ししかない気もする。未来なんかなくてもいいと思った。あなたがいてくれさえすれば。

もう、ないものねだりによって泣かない。
もう、腹立たしさやさびしさによって泣かない。さびしくない。何も思い出さない。

あえない夜が重なると闇が濃くなってゆく。ますます私はあなたを探しやすくなる。あなただけが光る。闇の中で光る。

君に会いたい君に会いたい。
光のない道。
聖書はいくらぐらいだろうか。

 

人生

 

今こうしてることが、全部思い出の中のことのように思える。どこかでぜんぶが終わった場所から振り返っているように、今のことを感じる。そうかと思えば急に何がどうなってるのか全部わからなくなる。

思い出を覚えておくのが得意なために、ずっとつらい。

あの日は大雨で雷も鳴っていて、私は急にこの世のいっさいがっさいが恐ろしくなって、もう二度と会えなくなってしまった人のことを考えたりしていた。

どうしてこんな暴力的なことをみんな笑顔で続けることができるんだろう。

故郷を離れたことも、大好きな人に大好きと言えないことも、力任せに暴れたことも、自分には何にもないことも、それなのに何にも諦められないことも、全部大丈夫になるために何かと向き合ったりする元気がないことも、部屋が寒いことも、TSUTAYAで借りたDVDが壊れたことも、全部ハッピーエンドの伏線であって欲しい。

もういい。

もう要らない。

いつもさびしい啖呵だった。

誰か、私となにかつまらないことで真剣にケンカしてくれたらいいのに。

信じきっていることが、唯一の武器だった。

唯一の。