金閣寺

自分の未来のことについて考えることなどできない。未来がどうなるのかわからない。どうなろうがこの時間に変化が訪れるなら、それだけで「まあ、いいんじゃない」というような気持ちにもなる。目標を持てとか、未来とか希望とか、そういう話がもうしんどい…

つかれた

田舎で働いたお金でこの街に来たけれど、何にもうまくいかない 毎日地元でシュレッダーをかけていた時の方が優しい人間でいられた 私は一生田舎で夢を見ながら要らない紙を切りまくっていればよかったんだわ

得意なこと

わたしは思い出を覚えておくのが得意で それでよかったことはない 寂しいだけです

救い

救われたいとか言っているけど 本当に救われることはない 自分のことは自分でどうにかするしかないから でも急に答えがわかったような気持ちになることがあり そのときはこれからも生きていけると感じる これを救いと言うらしい まあ、助けてくれと言っても …

散歩

さて今日はどこへ行く?と言われたので、例えどこに行くとしても、こんな明るい空の下で、何の悪い予感もなく、見つめあえたらどんなにいいだろう、と思った。 耳の中にまっしろな炎がともる。 神様このひとでまちがいありませんか。 まちがいありませんか。

お母さんへ

昔の「相棒」で、 右京さんが「これから自殺をしようとする人がうなぎを食べるでしょうか」って言っていたのを覚えてる。私なら、これから死のうってときは、生きていくつもりの時には食べるのを悩むような高級なものを食べたいよ。それから、お風呂で死ぬ前…

通勤

毎朝、いつも同じ駅から乗って同じ駅で降りる。 急なカーブを曲がろうとして、ブレーキを踏まないままハンドルで曲がろうとした時、切り損なったハンドルが罪もない動物を跳ねた。 それでも結局、何があろうと、いつもの駅に着く。 人が一方向へ束で流れてい…

引越し

昔好きだった男は「車を買うから一緒にたくさん出かけよう」と言って、車を買うお金で遠くへ引越した。 結婚したいというか、好きな人に人生を賭けたり人生を賭けられたりしてみたい。ずっと一緒にいられる親友になってほしい。でも、もう人と出会ったり別れ…

引越しの時に4年くらい前の自分の日記をなんとなく見ていたら 、「私は私に対して『ちゃんと謝ってよ、ちゃんとごめんなさいって言って!』という気持ちがずっとある」と書いてあって、本当にそうだと思った。いつまでも自分のことを憎みながら生きるのはつ…

クリスマス

クリスマス、という言葉に人がみるもの。それはたぶん実際よりずっと特別。綺麗なイルミネーションとか、一緒にいたい、と言われたときの、あの湧きあがる喜びは、そうでないと説明がつかない。だって、どんな日になるかもわからないのに嬉しいなんて変だと…

人生

今こうしてることが、全部思い出の中のことのように思える。どこかでぜんぶが終わった場所から振り返っているように、今のことを感じる。そうかと思えば急に何がどうなってるのか全部わからなくなる。 思い出を覚えておくのが得意なために、ずっとつらい。 …

別れ

お別れする時 さようなら ってみんな言う わたしは あの時 さようならを聞くことが出来なかった さようならという言葉を聞かなくてよかった わたしはまだ誰とも さようならをしていない

秋がくるという。 すこしづつ、そして、僅かに色づいてゆく私の心が、それよりももっと広いものの中へ崩れてゆく。葉は赤くなり、美しさに耐えず落ちてゆく。 秋はほんとうは生涯にただ一度だけなのではないか。秋が巡って来る度に今度こそはと夢見るけれど…

饗宴(プラトン)

ほんとうに自分の魂の片割れのような存在と出会ってしまったら、きっと優しく暖かく甘いことにはならない。 抱擁は硬く、互いの肺はつぶれ、骨や筋肉を直に感じる。 わたしはもう、こころでさがさない。 私の指が、眼が、確かめる。 見えるものが全て。

最近

私はいつもへらへら笑ってるし、いじわるなことも言えるし、割とどんな時も楽しそうにできるけど、テレビもパソコンもない家でコーンフレークをもそもそ食べてる時の方がずっといい。大きな声を出さず、静かに優しく暮らして、たまに微笑むくらいでいたい。 …

9月

私の家で鯉と鳥が死んだ。鳥は兄が飼っていて、私は上の家のおばさんがヒマワリの種をくれたことしか覚えていない。鯉は私が小学2年生の時、墓参りの帰りに拾ってきてその数日後に死んだ。名前もなかった。私はすべてが恐ろしくて仕方がなく、恐ろしさを知る…

憧れ

私は蝶をピンで壁に留める。もう動かない。幸福もこのように。この標本のように、生きれば。欲しいものや憧れているものを本当の本当に諦められるまで、なるべく思い出さないように、何度でも針を刺す。今はこれがわたしの言葉。

太陽たっぷりの中で思いつく行動は、たいてい素直なんだと思う。こんな夏のような、人生にあんな一瞬があったということを、ふと思い出す。私の人生にはこんな一瞬があった。ゆるさないことが私の純粋だった。もっと優しくなって、ゆるそうとしたのは私の偽…

手放す

いたわりである筈のものが、時には悪意よりもはるかに深く傷をえぐる。本当にやさしいのは誰か。救われたのは誰か。手放すものも、手放されるものも、手にするものも、されるものも、じぶんの淋しさのために悔しく、ひとの淋しさのために苦しい。私のくるし…

握る

「こころがくだける」というのは例え話だと思っていた 恨んでなんかいない うしろ姿を見送り泣いた覚えなんかない でもたぶん、あの時心はくだけていた たぶん、あれからずっと助けてって思ってた それでも助けを求めたのは一回だけだった 何も要らないと言…

お墓参り

みんなのことがあまり好きではない。ということがばれないように、丁寧に、親切に接している。会ったことがなくても、知り合いではなくても、名乗らなくても、墓場には花を添えることが出来るらしい。もっと簡単に、名乗らずに、花を一輪供えるぐらいの感覚…

精神の悪阻が襲う。女は、そんなに、幸せになりたいのか。都合よく使った「さみしさ」の分だけ、虚しさの卵を宿した。みつからなかった顔を探す。ひどく光る太陽を見た。煙突の立ちならぶ風景を見た。失ったものは何だっただろう。失った代わりに何があった…

今思うこと

死にたいと書くことで死なないですむのなら、詩は薬よりも役に立つ。 本で探そうとしたのはまちがいだった。救われようとして、どこかの誰かが作った呪文を探したのはまちがいだった。私は私だけの呪文を作らなくてはいけない。 最近は特に。自分がつまらな…

教会

花はいつ死んだのだろう すでに切りとられ トゲまでむしられていたのに今更枯れた 血が出たら 血が出たら、救われたのに もう 腹立たしさや さびしさによって泣かない ないものねだりによって泣かない ひそやかに 控えめに 詫びながら それでも尚差し伸べら…

代価

答えのない問いの中に沈潜することがある。答えはわからない。ただ「どうして」という問いだけが残る。それでも私は信じている。これで、神様までいないなんて、それこそ許されない。神様はいる。きっといる。 画家のシャガールは、生涯を聖書とサーカスに大…

列車

悲しみを忘れるための旅だから 走っている時の方がまだよかった 停車する この静けさが堪らない 最初からなければ良かったものを 最初からありはしなかったものを 見つけて そして失うことのむなしさを もういちど思い知っただけだった 私の中は空っぽであり…

博愛

特別な一人の人間として選ばれたいわけではない。 浅瀬の海のような無責任で純粋に適当に好意を抱かれていたら良い。 子供のころは皆そうだったはず。 でも大人になると皆変わる。 「好き」という感情を、社会や関係性に発展させようとする発想が理解出来な…

細い首 青いマフラーが あの日誰かを空につりあげた 人が死んだのに 空があんなに美しくてよかったのだろうか 燃えていた 雲までが 炎あげて あんな大きな夕焼け みたことがなかった

赦し

わたしが ゆるされすぎてくるしい というと もっとゆるすから という もっとくるしむといい という

クリムト

希望する 係累を軽んじる むしろ一切を棄てる 平凡万能が不可ない 規定欲、千里同風が不可ない あの金の絵の具 ひと刷毛の夢 ついにほんものの 終りの瞬間 その中に全てがある 芸術上の諸形式を超えた 生命の叫びを歌う能力がある 殆んど全く容喙出来ない世界…