わたしは子供の頃 小さな生きものが大概美しい気がしていた ちいさな生きものには 深い運命を担った使命があるにちがいない わたしはいつもそう思いながら 這うものを踏まないように きたない道を歩いた わたしはいまでも その心を失せきらないでいる 世間的…

みんな同じ

今日もわたしは探している まだ会ったこともないひと 顔だって見たこともない他人 会ったことのある人には会いたくない 初めて会うために人を探すのが そんなに変だろうか 人間は皆そんな探し方をしているのではないか そして人間はきっと誰かをひとりずつ …

くりかえし

花を見ようという あなたのこころと わたしのこころは違う それでもいっしょに見て いっしょに笑って ただみとれていれば良いんだと思う 探さなくていい信じさえすれば 古い傷口を満たすのは そこから滲み出る新しい血 内側から溢れ出るものに溺れ死ぬ 本心…

冬が明るくなりきると かえって何も思わなくなった 悲しいというこころにさえこだわらず あたりのものへ なだらかに自分のきもちをわたすことができる わたしは束の間の存在に過ぎないけれど それで差し支えない やっとの思いで すこしだけれど こんなふうに…

郷愁

かならず人に忘れられたいわたしだけど それなのにいつまでも ふるさとが懐かしまれてならない もはや帰るという言葉を諦めなければならない 何度も巡ってくるであろうと思ったゆきなれたはずの路 聞こえない言葉の反照 もしかしたらわたしは わたし自身の故…

できるだけ

わたしの求めているものが空虚でも わたしの求める力が要するに足りなくても 敵であっても 及びがたくても ただ在るということが分かりさえすればいい できるかぎりひとをゆるし できるかぎりひとを愛すること それだけならどこにもちからはいらない

坂道

坂道の途中でいつも同じひとに会う あいさつをしたり、しなかったり 上りも下りも会うのだけれど 上りと下りではまるでちがう それでも同じ人には違いがない 上っている途中に会うと男であるのに 下っている途中には女だったり 老人だったり子供だったり 犬…

自然

かつて わたしの時間はわたしが動かす と思い込んでいた つねに流れているものを止めるのは難しい たとえ一時止め得たとして それと対峙することはもっと難しい 流れに添い 流れに逆らい 気がついたら 耐えられないほど水が冷たくなってしまった こころはむ…

わたしは疲れているのかもしれない あの人の足あとを思えば 疲れたなどとはもったいない言い分だけど 世にひきずられている私も悪いんだと思う 全いものをあえぎ求めるわたしの瞳には どんなものでも不完全に見えてしまう なんてちいさいこころだろう まこと…

悲しみ

わたしはわたしを忘れ果てて さいげんもなく悲しみを食べている 悲しみを離れたら死んでしまう気がした そのうち じぶんの手をさえ食べてしまうのだろうか その気持ちはだれにも吐けなかった それでも 私はただ澄ましていることができない にんげん一人のい…

サイレンスを観て

よろこび、いかり、なげきさえ つらぬいて燃えるかなしみ その炎があまりに綺麗にみえたから わたしは こしかたのあやまちを讃むる気持ちになった ひとの子はそれを恥じらうのだろうか むざんかもしれないけど わたしはゆるされるとおもっている わたしはそ…

沈黙を読んで

善い結果を得るために、本質的に悪である行為を為すことは許されるか否か。 行為というのは、その裏にある様々な意図を考慮することなしには完全に理解する事は出来ない。また冒瀆に見える行為も、内なる信仰に基づくなら、敬虔の行為になり得る。 それは「…

共生

「出会った責任」「知ってしまった責任」が曖昧にされるこの時代にあって、今何をするべきか。 私には他者を引き受ける覚悟なんてないし、今だって本当は、目の前の現状から逃げ出したくても逃げ出すことが出来ずに、結果的に「知ってしまった責任」を取って…

恋愛

結婚という責任をとらない関係を、遊びだ、不純だと言われた。 不純とは何だろう。 不純とは、下心があること。 お金や仕事、財産や地位など、別の目的があるもの、何かを条件とし、取引をすることが不純だと思う。 つまり、あらかじめ結婚を条件とした恋愛…

野柳

先週末は、野柳地質公園へ。朝からちょっと怪しい天気でしたが、思い立ったが吉日。雨が降らないことを祈りつつ、行ってみることにしました。 久しぶりに見る海は、天候の影響で荒れていました。大きい波が近づくと、水しぶきが顔にかかるくらい激しかったで…

別れについて

最近改めて感じたことだけど、本当にこの世は出会いと別れの連続だと思う。 会うとか離れるとかいうことは、かりそめの偶然にしか過ぎないけれど、全くの無意味という訳ではないらしい。 実際、私の魂には去り行く人の骸が残されている、と思うことがあるし…

必要十分生活

1日1日をどのように過ごすか。 所有すればするほど囚われて。 より少なく所有すればより自由に。 幸せや豊かさの定義は人それぞれだけど 「何も持たない豊かさ」 ってあるような気がする。 もしかすると今は断捨離の時期なのかもしれない。 日本を出た事で、…

風穴

皆のこころに開いた穴。 そこには冷たいすきま風が吹く。 風が入らないように手で押さえたり、何か他のものをはめてみたりしても、それでもやっぱりその隙間から冷たい風が漏れてしまう。 穴は開いたまま、埋まらない。 思い切ってその穴から何が見えるか、…