列車

 

悲しみを忘れるための旅だから

走っている時の方がまだよかった

停車する

この静けさが堪らない

最初からなければ良かったものを

最初からありはしなかったものを

見つけて

そして失うことのむなしさを

もういちど思い知っただけだった

私の中は空っぽであり

無がつまっているらしい

利きすぎる暖房のせいで

窓ガラスが曇っている